広報、辞めたくならない?私の幸福に最も近い「広報」という仕事の魅力(社会人編)

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前回はなんで学生時代広報を志したのかということを書きました。で、そんなフレッシュな気持ちで広報の仕事をはじめて、実際はどうだったの?どんなギャップがあったの?でもなぜ今だに広報というコアスキルにこだわっているの?という話です。
前職、そしてじげんで考えたことを掘り下げつつ書いていきたいと思います。

というか、だんだん恥ずかしくなってきたんですけど、もうここまでかいたので、最後まで書ききりたいと思います。

1)広報の型の多様さ ―広報PR職のキャリアアップと市場価値

私は今年でPR会社にいた期間と事業会社で広報していた期間がちょうど同じ年数になりました。
広報としてどんなキャリアを作るべきかはその過程の中で何度も考えてきました。
ギャップという言葉がふさわしいかはわからないですが、思っていた以上に答えがないというのが今思うことです。

最初に選んだPR会社はとにかく専門性の高い人達と希少価値の高い仕事を「メディアリレーション」に絞って深く経験できたことが非常によかったと思います。専門性としては狭いですが、その領域を深堀できたことで、一定の知見が得られ、「広報」スキルありますと言えるレベルになりました。まぁ全然未熟ながらですが。
あとは、いざという時に相談できるようなとても良い人脈ができました。

余談ですが、あの時はもう目の前の仕事に精一杯すぎて、その人脈というか、職場環境の素敵さをわかっていなかったと思います。
広報の話を当たり前のように話せることのありがたみ。面白いPR手法や次にきそうなトレンド情報、あぁやられたと思った情報番組での特集内容について、お酒を飲みながら延々楽しく面白おかしく語れる貴重さ。

さて、じげんにおいては、あらゆる広報業務の0→1を経験してきました。何が広報の仕事なのかを経営陣と議論し、ミッションを設定し、実行までの責任を担う。どうすべきなのか迷ってもやもやしたり、私の広報としての「当たり前」が経営目線では全く理解されず、ゼロベースで説明しなければならなくて四苦八苦したり。
その過程の中で広報としての職務の限界ややるべきことの選択と集中をどう考えるか、非常に考えさせられました。
これは広報?みたいな仕事も随分経験しました。事業にいると担当の分類が難しい業務が膨大にあるんです。
しかし、結果として、WEBコンテンツをどうディレクションしていったらいいのか、ノベルティを企画し生み出すまでのTODO、採用時にどんな情報発信があると良いのかなど、PR会社にいたら学べない課題と向き合う中で思考力・実行力は高まったと思います。

どんな仕事もそうですがいかに高い視座で仕事と向き合って意思決定し、実行まで経験するというのは、自分の市場価値をあげる上で意義があるのでは、と思いました。

というわけで、1社目で縦の広報の専門性を、2社目のじげんで広報の業務の幅が広がり0→1を行うための実行力を学びました。

でも、まだ経験できていないことがいっぱいある。
あと、同じような経験をしてきた人でも仕事のスタイルは全然違う。
コミュ力高く人脈を駆使してアウトプットの量と質を最大化していく人。場づくり上手で面白い企画で人を集めてコミュニティを通じて広報力を高めていく人など。かなわないなーと思う尊敬できる人たちが膨大にいらっしゃいます。
知ればしるほど知らないことが増える。広報というのはそういう仕事です。

2)広報は飛び道具ではない!想像以上に地道だけど想像以上に心動かされる

広報になる前となった後で感じた1番のギャップはその「地道さ」です。
どんな仕事もきっとそうなんだと思うんですけど、こう、世の中的に広報PRってキラキラして見えるじゃないですか。
「セックス・アンド・ザ・シティ」のサマンサとか「空飛ぶ広報室」の綾野剛くんとか。

けれども、PR会社にいるときも、今も、世の中を騒がせる華やかなニュースやイベントの影には驚く程に地道で途方もない「作業」みたいな仕事が詰まっていて、しんどい「現場」があります。
メディアリストをつくること、プレスリリースのための情報を集めること、取材スケジュールを組んで細かい調整をすること、ニュースページが少しでも見やすくなるようにするために細かい工夫を凝らすこと、早朝に黒スーツで集合してメディアの方のご案内方法を確認することなど。時にその地道さと終わりのなさがつらくて泣けてきます。
そして、その地道さ故に一人で実現できることはあまりに少ない。華やかな施策も絵に書いた餅でしかない。

スタートアップの経営者の方や広報に詳しくない人と話していると、「広報うまくやれば、工数かけずに大きな成果が出せる」と期待してくださる方がけっこういらっしゃるのですが、それは確かにそうなんですが、少し違うと思う部分もあります。

適当な覚悟では社会には何も届かない!その届かなさには正直、びっくりします!!
なめてました!って何度思ったことか。
あるいは一時的にもてはやされてもすぐに注目されなくなります。

大きな成果どころか、起こるのは大きなトラブルばかりです。え、こんなことある!?とびっくりします!!
全て終わってしばらく経つまでは笑えないような身も凍るトラウマのような出来事ばかり増えていきます。

ただ、広報という観点を事業やサービスにうまく取り込んでそのために一致団結して頑張ると思いもよらない効果が時に爆発的に、そうでなくとも中長期的にじわじわと生まれていきます。広報は一人ではできない、けれど中身をつくる側の人たちとうまく連携できれば得られる相乗効果は大きいです。

その生まれた何かに気付いた時、これがまた泣けます。あー届けたい人に届いた!それで届けた人と届けられた人の人生がちょっとだけ面白く豊かになった!その瞬間の感動は言葉にできない。
こうして、この仕事が辞められなくなっていくわけです。

終わりなき「広報」の道。I’ll never miss another plane again.

ところで、私は海外ドラマのクリミナルマインドが大好きなのですが、新卒的な感じでFBI行動分析課に配属されたスペンサー・リードが、(本当に文字通り)命を削るような過酷な経験を経て、このままこの仕事を続けて良いのか迷うシーンがあります。

どうしても気乗りがしなかったリードは、事件の捜査のために、飛行機で被害者に会いにいくのを、呼び出しが入ったのにも関わらず、無視ししてさぼっちゃったんですね。「電波が届かないところにいたんだ」なんて言い訳しますが、何しろ周りは心理学のプロみたいな人たちですから、リードが悩んでいることなんてお見通し。事件解決後、1人でお酒を飲んでいるバーに上司がやってきて話すシーンがすごく印象深いんです。

リード)I missed that plane on purpose.

ギデオン)I know.

リード)I’m struggling.

(略)

リード)I never even considered another option.

ギデオン)Now you’re questioning whether or not You’re strong enough to be here?

(略)

リード)I guess I just needed to try to figure out If I could step away from this job.

ギデオン)And?

リード)I’ll never miss another plane again.

(Criminal Minds season02 episode18)

学生の頃からFBI行動分析課で働くことしか考えられなかったリード。どうしようもなくつらい出来事を経て、今まで考えたことがなかったけれども、「この仕事から離れられるか」という問いを投げかけてみたといいます。

結果、「絶対に無理。」って思えた、だから「ちゃんと働こう」って思い直すんです。
そしてもう2度と飛行機には遅れないと誓います。

命を懸けるほどの過酷さはないし、リードのような天才で明らかに職能に秀でているわけではないかもしれない、でも私にとって広報の仕事はそういう仕事だなと思います。やりがいをもって働いてきたけれども、どの瞬間も楽しい、やりたい気持ちにあふれる仕事はなかなか存在しないものです。
そんなに要領良いわけでもないので、日々ぐじぐじ悩んでばっかりですが、この仕事をやめたいとは絶対に思わない。
そういう仕事と出会えているっていうのはたぶんきっと幸せなことです。

I’ll never miss another plane again.
命は削りたくはないけれども。

-to be continued-

最後に(じげん編)をかこうと思っています。

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