【就任1周年インタビュー】SMO尾林先生に聞いてみよう。会社におけるメンタルヘルス問題との向き合い方

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ZOID就任1周年記念!リクルート出身初の産業医、尾林先生への特別インタビュー記事後編です。

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気付けばシルバーウィークもスーパームーンも終わり、今日から10月!じげんは早いもので3クオーター目に突入しました。
じげんは「働きがいのある会社」ランキングで4年連続ベストカンパニーに選ばれているのですが、9月はその申請のための締切があり、経営推進部は慌ただしく過ごしておりました。

さて、何が言いたいかというと、記事の更新が遅くなってしまった言い訳だったのですが、大好評のリクルート出身初の産業医、尾林先生へのインタビュー、大好評の前編に続き、後編を紹介させていただきます。

前回はどちらかというとベンチャー企業が従業員の健康問題にどう対処していくべきか、そのために産業医とどのような関係を築いていくべきかを話してきました。

今回は、もっと個人としてメンタルヘルス問題とどう向き合い、折り合いをつけて働くべきなのか、そういった問題を未然に防ぐための部下との信頼関係の築き方などを中心にお話いただいております。

今すぐ実践したい職場でのメンタルコントロール術

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社内を巡回する尾林先生

何か違和感を感じたら、迷わずアラームを上げること

-ここからは、より一般的な話になりますが、たとえば4月に新卒として入社してきた社員も、会社に慣れてきていろんなことを考え始める時期なのかなと思います。メンタルを崩す、というところまではいかずとも、仕事がうまくいかなくて、頑張る気力が湧かない、会社に行きたくないなどネガティブな気持ちになったときにそこから自分をうまくコントロールするコツってあるんでしょうか?

A)
一番大切なことは、「あれ、何かいつもと違うぞ」「いつもだったらもう少し踏ん張りが効いたはずなのに」など、何か違和感を感じたら、迷わずアラームを上げること。アラームを上げる先は、同期でも、先輩でも、話しやすい人であれば、誰でも構いません。本人の僅かな気付きを、周囲が暖かく受け容れる企業カルチャーが、大事を小事にとどめ、大病を未然に防ぎます。

あとは、「物事(特に、うまくいかなかったこと)に一喜一憂しない」ことも大切です。達成できたことは素直に喜び、失敗で自分の価値を規定しない(「自分はまだまだ未熟、次につなげよう!」と、失敗から学びつつも、過度に自分を責めない)、そんな姿勢が、健全な成長につながるはずです。

-仕事と息抜きやプライベートとのバランスの取り方についてはいかがですか?忙しくて不調を感じていても、十分な休息がとれないこともあるかと思います。“ワークライフバランス”というと、語弊があるかもしれませんが、オフタイムの過ごし方についても何かアドバイスいただけたらうれしいです。

A)
論点は少々ずれるかもしれませんが、オンオフの切り替えが難しい場合、無理にオフモードにしなくてもよいと思います。例えるなら、無理に寝ようとすればするほど目が醒める、そんな状況に似ています。

逆に言えば、仕事に専念しなければならないにも関わらず乗ってこない時には、思い切ってオフモードにしてしまうという発想です。社会人としての通念上の常識と、このように割り切った考え方は、平行線ではなく、どこかで接点を持ち得るものだと思います。こうした意識を持つことで、結果的にオンオフ切り替えの達人になることができるのではないでしょうか。

-ありがとうございます。お昼寝での気分転換を推奨する「N-Minutes」もある意味、無理にオンにせず、一度オフにしてすっきりするという発想に近いのかもしれないと思いました。休暇だから休むべき、仕事がたくさんあるから働くべき、だけで規定しない自律的なコントロールを心がけて、オンオフ切り替えの達人を目指したいと思います!

マネジメントする立場でのメンタルヘルス問題との向き合い方

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じげんは代表も従業員と近い距離でシャッフルランチ

部下には「あなたのことを気にかけているよ」という明確なメッセージを日頃から送り続けること

-逆にマネージメント側で産業医の先生のところに通い始めたらしい社員が部下にできた場合、仕事がうまく進められていないときの指摘の仕方をはじめ、部下に対してどう対処したらいいのか悩むケースも多いと思います。個別の対応が必要なのかもしれませんが、何かアドバイスできることはありますか?

A)
必要なのは、当人との共通言語を持つということ。俗っぽい言い方をすれば、相手の懐に入り込むことです。業務上でもそうでなくとも、「あなたのことを気にかけているよ」という明確なメッセージを、日頃より送り続けることが大切です。あくまでも私の個人的な見解ですが、最近のマネージメントはスマートな反面隙がなく、体温や息づかいが伝わりにくい印象を受けます。愛情表現は、少々過剰演出かな?と思えるくらいが、実はちょうどよいのです。本当に大切な人にその想いを伝えようとする時、照れくさいからといって遠慮がちに振る舞うだけでは、あまり上手くいきませんよね。

-そうですね、恋人同士でもよく言われますが、言葉にしないと愛は伝わらないですよね(笑)
ただ、実際気にかけているというメッセージをうまく発信するのは難しい印象があります。けれども、良好な関係作りが健康問題を未然に防ぐことにも繋がると思います。
尾林先生は、対面で本音を聞き出すコミュニケーションのプロフェッショナルともいえると思うんですが、たとえば新しい部署で部下と面談をするとします。そういう場合に、本音を聞き出し、うまくモチベーションを上げるためのテクニックはありますか?いくつか意識されていることを教えて頂けるとうれしいです。

A)
コミュニケーションの際に私が意識していることは、「相手を尊重する」ということです。相手が尊重できると、必然的にその時間が有意義になり、自然と相手の話す内容や言外の意味に思いを馳せずにはいられません。「傾聴」と言ってしまうと、相手に関心があろうがなかろうがともかく耳を傾けるという義務感がありますし、相手がその気にならなければ、永遠に本音など出てこないでしょう。相手を卑下することはもちろん、自身が萎縮する必要もありません。本音を聞き出すテクニックと断じてしまうと過言かもしれませんが、相手と目線を同じくする努力は、必要条件ではないかと思います。

理想の産業医とは、いざという時には頼れ、普段は有意義な無駄話の相手であること

-「相手を尊重する」姿勢…イライラしているとつい忘れてしまいがちです。チーム間でのコミュニケーションづくりに悩んだら、胸に手を当てて自分の姿勢を振り返ってみたいと思います。
では、最後になりますが、次の1年でこんなことができたら、と思ってることはありますか?改めて抱負をお聞かせください。また、社員へのメッセージもあれば、こちらでお願いします。

A)
この1年で多くの方々とお話させていただく機会を得ましたが、みなさん全員との接触頻度は、まだまだ不十分であると感じています。私の理想の産業医とは、いざという時には頼れ、普段は有意義な無駄話の相手であること。

語弊を恐れずに言いますと、「産業医=面談する人」と硬く考えずに、「産業医=雑談相手」くらいに柔らかく考えていただければと思います。みなさんと共に成長していきたいと心から思っておりますので、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

-尾林先生、ありがとうございました。これからもじげんの健康を守るヒーローとして、よろしくおねがいします!

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