【就任1周年インタビュー】じげんでの経験を通じて考えるITベンチャーと産業医の理想的な関係の築き方

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ZOID就任1周年記念!リクルート出身初の産業医、尾林先生への特別インタビューが実現

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保健委員と話す尾林先生

お久しぶりです。pecoです。
しばしの夏休みというか、前の更新から随分と時間が空いてしまいましたが、その期間中ずっと温めていた企画がありました。
それがこの尾林先生へのインタビューです。

尾林先生は、業界や職種を問わずに突き抜けたスキル・ご経験をお持ちの社外のプロフェッショナルな方々を登用するZOID(ZIGExN Outstanding Innovative Director)制度(以下、ZOID制度)を活用し、新たなZOIDとして参画いただいたリクルート出身者初の産業医でいらっしゃいます。

就任に至った経緯や当時のインタビューなどはプレスリリースページ「ZOID(ゾイド)にリクルート出身者初の産業医、尾林氏が参画/Super Medical/Mental Officer として社員の健康問題を未然に防ぐ」でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!!

就任したのがちょうど1年前の9月。
Super Medical/Mental Officer (略してSMO)という素敵な肩書きを持ち、どのような1年を過ごされてきたのか、気になりますよね??というわけで尾林先生に前後編に分けてたっぷりインタビューをさせていただく運びとなりました。

じげんでの1年を振り返る

applewatch

Apple Watch片手に社員と話がはずむ尾林先生

共に考え、悩み、笑い、泣き、互いの様々な感情をさらけ出し、全力で駆け抜けた1年

-じげんでSMOになられてから、つまり産業医としての活動を始められてから1年になりますが、どんな活動をされてきましたか?率直に、1年経験されてみていかがですか?

A)
私自身、産業医としての土台作りの1年でもありましたので、全力で駆け抜けた、そんな1年だったように思います。

平尾社長の情熱と、その影響を色濃く受けた社員のみなさん。
じげんにて産業医としてお引き受けした日々は、そんなみなさんと共に考え、悩み、笑い、泣き、互いの様々な感情をさらけ出して作り上げた、共同作品のようなものです。

私が心掛けたことは、時に受容し、時に再考を促し、その結果、みなさん自身が何かを得るという体験を支援すること。私が一方的に、知識や知恵を授ける場では決してありませんでしたし、そうでなかったと感じられるのは、みなさんが自身の頭できちんと考え、何かを掴み取ろうと努力されていた証拠ではないかと思います。

-社内でもすっかりSMO制度は定着し、現場でしんどそうな人がいたら「まずは尾林先生に相談してみたら?」という声が上がってくるようになったように思います。気軽に相談してください、というところから始まりましたが、相談数は増えていますか?

A)
相談数は安定していると感じています。

安定と申し上げたのは、いわゆるメンタルの問題に直面している方々にとどまらず、幅広い観点から相談に来られる方々が一定数いらっしゃるという意味においてです。
どちらかのみ突出している状態は、組織として緊張の高い状態に他なりません。現在の状況は、バランスが取れていると言えるのではないでしょうか。

メンタルの問題に加えて、会社の将来や組織のこと、自身のポジショニングやキャリアまで様々な相談が寄せられています。

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尾林先生とお話するのはいつもリラックスできる「りく」の会議室

-尾林先生と話したことのない社員からはどんなお話をされているのか気になる、という声を耳にすることがあるのですが、例えばどんなお話をされているかなどお伺いできますか?また、どんな相談内容が多いのでしょうか。差し支えのない範囲で教えてください。

A)
産業医との話し合いと言えば、やはりメンタルの問題を想起される方が多いでしょう。もちろん、そのような重大な問題に、いつでも対処できる緊張感を持って臨んでいるつもりです。

しかし、メンタルの問題以外にも、じげんの将来のことや組織のこと、そこに置かれているご自身のポジショニングやキャリアのことなど、その内容は非常に多岐に渡ります。

また、細かくは書けませんが、ご自身の性格やプライベートに関わることなど、一見すると産業医面談とは無縁に思える事柄についても、みなさんが想像されている以上に様々な内容が寄せられています。

-保健委員発でインフルエンザ対策などの気軽なトピックを「保健だより」として紹介する企画も何度か実施していますがこちらについてはいかがでしょうか?社内では好評だったようです。

A)
はい。リクエストを受けて、インフルエンザ対策や健康診断前に注意するポイントなど本当に身近なトピックについて保健委員の方に質問を受けてお答えし、全社メールで「保健だより」としてお伝えするという取り組みをしてきました。
face to faceの時間を優先せざるを得ない中で、みなさんを前にお話する機会や、「保健だより」のようなメディアを通じた宣伝といいますか啓蒙活動はとても大切だと考えています。

幸い好評をいただいていたようですし、こうした貴重な交流機会を今後も積極的につくっていきたいと思っています。

経営陣との問題意識の共有がなければ、より良い職場環境の実現も「絵に描いた餅」

-従業員との繋がりが徐々に密になってきているということはとてもよく伝わってきましたが経営陣との連携についてについては、1年を振り返ってみていかがでしたか?

A)
経営陣の方々に社内のメンタルに対する問題意識を持っていただかないことには、より良い職場環境を実現しようにも、「絵に描いた餅」になってしまいます。

じげんでは幸いにも、経営陣の方々とのディスカッション機会も得られましたし、さらに言えば、勢いで乗り切れそうに思われがちな企業黎明期においても、健全な職場環境が必須であるとの意識が、じげんの経営陣の方々には備わっていたように思います。この「健全な危機意識」を共有できたことが、私の1年を支えたと言っても過言ではありません。

ベンチャー企業×産業医に関する問題意識

curry_yamaguchi and mr.obayashi

人事のカリー山口氏と尾林先生。

成長過程の企業が考慮すべき、個々人の高い目標設定と実際のキャパシティーとの乖離が置き去りにされてしまうリスク

-産業医の方と従業員・経営陣がこうした密なコミュニケーションがとれているベンチャー企業はなかなかないように感じます。尾林先生はもともとリクルートという比較的従業員数の多い企業の出身ですが、ベンチャー企業に特有の健康問題(特にメンタルヘルス領域)というのはあると思われますか?

A)
健康問題の質には、両者に大きな差は無いように思えます。
ただ、従業員数の多寡、すなわち企業規模の観点で申し上げれば、健康問題が表在化するのに要する時間に差異があるのかもしれません。じげんのような成長過程の企業では、個々人に課される設定目標は高くなりますし、その結果、自身のキャパシティーとの乖離があった場合に、その事実が置き去りにされてしまうリスクはあると思います。
この点は、メンタルヘルス対策を積極的に講じない(講じられない)ベンチャー企業に生じやすい問題と言えるかもしれません。
しかし、この点さえクリアできれば、問題を抱える従業員へのフォローの手厚さは、むしろ逆転するのではないでしょうか。

経営陣や人事労務管理に関わる方々が健康問題を早期に発見することの重要性に気付き、その仕組み作りに着手する

-確かに、特に人事労務管理部分のこととなると、会社規模が小さいことによるデメリットばかりが見られがちだと思うのですが、産業医の尾林先生との距離は従業員数の多い企業と比較すると非常に近く、フォローも個々人に届きやすいかもしれないですね。
ただ、おっしゃるように、ベンチャー企業にも様々な固有の健康問題がある一方で、産業医とこのようにうまく連携をとれていない場合も多いのではないでしょうか。
このブログを読んで、もっと産業医との関係を構築したい、あるいは従業員の健康問題と適切に向き合いたいと思った方に尾林先生から何かアドバイスできることはありますか?

A)
健康問題をゼロにすることは、ベンチャー企業であれ大企業であれ、現実的には容易なことではありません。しかし、健康問題を早期に発見することの重要性に気付き、その仕組み作りに着手することができれば、最小化することはできるはずです。
経営陣や人事労務管理に関わる方々の熱意が、産業医との関係構築の土台となり、土台の上に健康問題への適切な向き合い方が見えてくる。こんな大局的な視点が、実は最も重要なのではないでしょうか。

-ありがとうございます!前半は特にベンチャー企業がどう健康問題と向き合い、産業医と関わるべきかという目線でインタビューさせていただきました。後半はより一社員としてメンタルヘルス問題とどう向き合ったらいいのかアドバイスいただきたいと思います。

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